『力積の公式』と『運動量保存則』の導出

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力積の公式の導出

次に力積の公式を導出していきます。

 

全ては運動方程式から始まる

といったように
今回もまず運動方程式を用意します。

$$\Large m\frac{d^{2}x}{dt^{2}} = F$$

この時力$F$一定であり
Fは定数です。

 

つまり状況としては次のように

一定の力が
働き続けている物体

をイメージしてください。

では運動方程式に戻ります。

とりあえず運動方程式の両辺を

時間で定積分

してみましょう。

積分する時間の範囲を$t_1~t_2(t_1<t_2)$とすると
次のようになります。

$$\Large \int_{t_1}^{t_2} m\frac{d^{2}x}{dt^{2}}dt = \int_{t_1}^{t_2}F dt $$

あとはこれを実際に計算してみるだけです。

補足
積分の計算方法がわからない
という方はこちら

【高校生向け】初心者でもわかる微積物理のための『積分』

2020年9月10日

\begin{equation}
\begin{split}
\Large (左辺)& \Large = m\int_{t_1}^{t_2} \frac{d^{2}x}{dt^{2}}dt \\
\\
&(mは定数なので積分の外に出ます)\\
\\
&\Large = m\int_{t_1}^{t_2} \frac{dv}{dt}dt \\
\\
&\Large = m[v(t)]_{t_1}^{t_2} \\
\\
&\Large = m\{v(t_2)-v(t_1)\}\\
\\
&\Large = mv(t_2)-mv(t_1)
\end{split}
\end{equation}

\begin{equation}
\begin{split}
\Large (右辺) &\Large = F\int_{t_1}^{t_2}dt(定数「1」の積分) \\
\\
&(Fは定数なので積分の外に出ます)\\
\\
&\Large = F[t]_{t_1}^{t_2}\\
\\
&\Large = F(t_2-t_1)
\end{split}
\end{equation}

 

そしてこの右辺と左辺を改めてつなげると

$$\Large mv(t_2)-mv(t_1) = F(t_2-t_1)$$

さらにここで
$\Large t_2-t_1=\Delta t$
とおくと

$$\Large mv(t_2)-mv(t_1) = F \Delta t$$

と書け、これは高校物理において習う
力積の公式そのもです(!!!!)

このようにして力積の公式
運動方程式から導けるものなのです。

驚いた方もいるのではないでしょうか。

 

この式は2つの時間のにおける
運動量$(mv)$の差(左辺)

力と時間差の積(力積)である
$F(t_2-t_1)$(右辺)に等しいことを意味します。

 

普通の高校物理であれば、これらの式は

暗記しろ!

としか言われないため
記憶があやふやになったりして
間違いが起こりやすいです。

しかし上の導出までしっかり把握できていれば
そのような間違いは0にできます。

 

運動量保存の式の導出

ではここからさらに

運動量保存の式

の導出を行なっていきます。

やることはとても簡単です。

 

さきほど導出した力積の式
において

$$\Large F=0$$

を代入するだけです。

すると、先ほどの式は

$$\Large mv(t_2)-mv(t_1) = 0$$
$$移項して$$
$$\Large mv(t_2)=mv(t_1)$$

となり、これは

周りからの力(外力)が無ければ
運動量$\large (mv)$は保存される

ことを意味します。

 

運動方程式から運動量保存の式を導出

先ほどは簡略化のため
力積の式から
運動量保存の式を求めました。

しかしもちろん

運動方程式から

求めることだってできます。

 

まず運動方程式を書きます。

$$\Large m\frac{d^{2}x}{dt^{2}}=F$$

そして今回は周りからの力(外力)
が存在しない場合を考えます。

つまり$\large F=0$です。

これを代入すると

$$\Large m\frac{d^{2}x}{dt^{2}} = 0$$

ここから力積の式を導出した場合と同様に
両辺を時間で定積分します。

時間の範囲を$t_1~t_2(t_1<t_2)$とすると
力積の場合で示した計算と同様の過程で

\begin{equation}
\begin{split}
\Large m\int_{t_1}^{t_2}\frac{dv}{dt}dt & \Large = 0\\
\\
\Large m[v(t)]_{t_1}^{t_2} & \Large = 0 \\
\\
\Large mv(t_2)-mv(t_1) &\Large =0
\end{split}
\end{equation}

 

こうして運動方程式からも

外から力が働かない
$(F=0)$

である場合においては

運動量が保存される

という事実を導くことができました。

普段ただ暗記しているであろう
運動量の保存の式も

暗記なしにちゃんと導けるのです!

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