微分方程式とは
今回は微積物理における
核とも言える
微分方程式
について解説していきます。
これまた難しそうな印象を持った人も
いるかもしれません。
しかしそんなことないので
肩に力を入れすぎないで読んでいってください。
まず(復習の意味もかねて)
『物理で求めたいものは何か』
を思い出して下さい。
これは『微積物理の重要事項』を紹介した際
時間の関数として
物理量を求める
と言ったように
時間の関数
が微積物理で求めたいものです。
そしてこの
時間の関数を
求める方法
が
微分方程式
というものです。
今までは
$$\large x^{2}+7x+12=0$$
のような値を求める方程式
を勉強してきたでしょう。
しかし、それとは異なって
微分方程式で求めるのは関数です。
それでは次から早速
具体的な
微分方程式の解き方
を解説していきます。
微分方程式の解き方
具体例として
次のような微分方程式を考えます。
$$\Large \frac{df}{dx} = 5x$$
改めて述べますが
ここで求めたいのは
$f(x)$は一体
どんな関数なのか
ということです。
値ではないので注意して下さい。
そこで次のことをおもいだして下さい。
微分したものは
積分すると元に戻る
つまり上の微分方程式において
左辺をxで積分すると(不定積分)
$$\Large (左辺)= \int \frac{df}{dx}dx = f(x) $$
のように$f(x)$を復元できます。
そしてこれまで皆さんが扱ってきた
方程式でも左辺にある数を足したら
右辺にも同じ数を足したように
左辺を積分するなら
右辺も積分しないといけません。
つまり上式は次のようになります。
(この時の積分は不定積分)
\begin{equation}
\begin{split}
\Large \frac{df}{dx} & \Large = 5x \\
\\
\Large \int \frac{df}{dx} dx & \Large = \int 5x dx \\
\\
\Large f(x) & \Large = \frac{5}{2}x^{2}+C{(定数)}
\end{split}
\end{equation}
(定数がつくことに注意)
このようにして関数$f(x)$が得ることができ
この一連の作業のことを
微分方程式を解く
といいます。
このようにただ
積分の計算を進めていくだけなので
何ら難しことはありません。
ここで鋭い人は
$$\Large f(x) = \frac{5}{2}x^{2}+C{(定数)}$$
を見た時
という疑問を持つかもしれません。
しかし上で右辺のみに定数をつけたのは
次のような意味があります。
\begin{equation}
\begin{split}
\Large \int \frac{df}{dx} dx &\Large = \int 5x dx \\
\\
\Large f(x)+A{(定数)} &\Large = \frac{5}{2}x^{2}+B{(定数)}\\
\\
\large ↓Aを右辺& \large へ移行し↓\\ \large ↓1つの定数& \large Cにまとめる↓\\
\\
\Large f(x) &\Large = \frac{5}{2}x^{2}+C{(定数)}
\end{split}
\end{equation}
このように
両辺に定数は現れるのだけど
移項して右辺にまとめている
わけなので上で示したようになるわけです。
定数はどうやって決まるか
先ほど微分方程式を解いて得られた
関数には定数がついていました。
ではこの定数の
具体的な値はどのように決まるのか。
それは
初期条件
(t=0における条件)
を元にして決まります。
例えば
「最初物体は原点にあった」
というような条件によって定数は決まり
これによって最終的な関数の形が求まります。
これは逆にいうと
初期条件がないと
最終的な関数の形は
求まらない
ことになり、このようなわけで
時間の関数は微分方程式を解き
『初期条件』を与えることで決まる
と微積物理の重要事項で述べたわけです。
ここから微積物理が始まる
ここまで
微分
積分
微分方程式
といった新しい事柄を
解説していきました。
これらをしっかり押さえれば
後はもう楽チンです。
物理がみるみるわかるように
なっていきます。
しかし途中で微分積分などが
よくわからなくなったら
もう一度ここまでの内容を
読み返すことをお勧めします。
左辺の不定積分に
定数は付かないのか