高校物理に現れる「剛体」とは一体何か、何のためにあるのかをわかりやすく解説

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今回は

え、待って、
そもそも剛体って何?

となっている人向けに

そもそも剛体とは
一体何なのか

をわかりやすく解説していきます。

 

剛体ってそもそも何?

剛体とは
(大きさのある)

変形しない物体

のことを言います。

ここでスーパーボールを
例にとって考えてみましょう。

通常スーパーボールは次のように
跳ね返る時に「変形」します。

そしてこれはスーパーボールに限らず
他の物体でも同じです。

しかしこの剛体
次の図のように
まったく変形しないわけです。

これが剛体の「定義」になります。

 

注意
上にあげたものは剛体の
「定義」です。

そして「定義」とは
スポーツで言うところの
「ルール」に等しいです。

それゆえ

なぜそれが
剛体の定義なのか

という問いはしてはいけません。

それは
「なぜサッカーではボールを
ゴールに入れると1点入るのか」
という問いをすることと同じです。

 

 

剛体を考える意味

ではなぜそのような
「剛体」、すなわち

「変形しない物体」

を考えるのか。

ここからはその動機について答えていきます。

 

動機その①細かい運動を知りたい

物体の運動というのは基本的に

大まかな運動

細かい運動

に分けることができます。

これは次の図のように
「投げたボールの運動」
で考えるとわかりやすいです。

通常このように
ボールはそれが描く軌跡に加え
回転を伴っています。

そして、これらのうち

どのような
軌跡を描くか

というのが
「大まかな運動」であり、

どのような
回転をしているか

というのが
「細かい運動」です。

さらに大まかな運動は
「並進運動」と呼ばれ、
細かい運動は
「回転運動」とも呼ばれます。

 

そして「剛体」というのは
この回転運動、すなわち
細かい運動を考える際に役に立ちます。

というのも物理の中には
通常の運動方程式とは別に

細かい運動に
ついての方程式

が存在するわけですが、それは

変形することが
ない物体

すなわち

剛体

を考えることで初めて
作ることができるからです。

高校物理ではこの範囲を
扱うことはないですが
「剛体」という概念が使われる
動機の1つにはこのようなものがあります。

 

動機その②細かすぎる運動は考えたくない

高校物理においては
この2つ目の動機の方がより重要です。

1つ目の動機と真逆に思えるかもしれませんが
そんなことはないので安心してください。

これをわかってもらうために
次の画像のような

竹刀を勢いよく
振り下ろすとき

を考えてみましょう。

この際、竹刀は
真っ直ぐなまま
振り下ろされるだけでしょうか?

残念ながら
そうではありません。

 

ただ振り下ろされる運動に
加え、この時竹刀は

「しなる」

ことになりスーパーボールと
同様に変形します。

 

このことは経験的に
わかってもらえるでしょう。

つまり今の場合
竹刀の運動を考える時には

「振り下ろす運動」

「竹刀のしなり」

この2点を考える必要があります。

そしてこのようなことが
回転運動を考える際には
同様に起こります。

つまり、回転をしていれば
どんな物体でも「しなり」のような

物体の変形

を考える必要があるわけです。

がしかし、この「しなり」
などの変形を考える術を
みなさんは持っているでしょうか?

当然持っていないですよね?

 

そしてそれは昔の物理を
始めた人たちも同じでした。

そこで昔の人たちは

変形とかいう
細かすぎる運動
どう扱ったらいいか
わかんないんで
変形しないことにしたろ

ということで

全く変形しない物体

先程の例でいうと

全くしならない竹刀

という物理学上の
仮想的な概念を作りました。

そしてこのようなものを総称して

剛体

と呼んでいるわけです。

このおかげで「物体の変形」
というものを考えなくて済みます。

 

剛体は実際には存在しない

物理の教科書・参考書には
「剛体」という物体が
実際に存在するかのように書かれています。

そのため

「剛体は実際に存在する」

と思っている人もいるかもしれません。

しかし上述のように
剛体というのは

仮想的な存在

です。

つまり(残念ながら?)
実際には存在しません。

この点は勘違いしないようにしましょう。

 

「質点」との違いは?

高校物理では
剛体という概念と合わせて

「質点」

という概念も習います。

あわせて読みたい

質点についてはこちらの記事で
詳しく解説しています。

物理に現れる『質点』とはそもそも何かをわかりやすく解説

2021年4月2日

 

 

ここでよくある疑問が

剛体と質点って
どう違うの?

というものです。

その答えとして
質点の物理
というのは、先ほども述べた

物体の大まかな運動

を記述することに役立ちます。

 

それに対して
「剛体の物理」
というのは

物体の細かい運動

を記述することに役立ちます。

つまり次のような感じです。

質点と剛体にはこのような違いがあり
どちらも物理の上では重要な概念になります。

 

今回のまとめ

それでは今回のまとめです。

まとめ
  • 剛体とは大きさがあり
    かつ変形しない
    仮想的な物体である

 

また、剛体は

  • 細かい運動を知るため
  • 細かすぎる運動(変形)は無視するため

導入される。
大まかな運動は質点が担当

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