「内力」と「外力」の違い・その見分け方・運動量保存則との関係とは。これらを整理しよう!

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外力と内力の違い

外力と内力の違いを理解するために
まず

外力とは何か

内力とは何か

を整理しましょう。

内力とは

複数の物体から成る
あるグループを考える。

このグループに属する物体間に
働く力のことを「内力」という。

 

外力とは

複数の物体から成る
あるグループを考える。

そのグループに属さない
(外の)物体によって及ぼされる
のことを「外力」という。

補足

わかりやすさのため先程は
「グループ」という言葉を使いましたが
通常これは物理において「系」と呼ばれます。

以降では「グループ」という
言葉を使って解説していきます。

 

上の内容から
内力と外力の違い

考えているグループに
属する物体による力なの

属さない物体による力なの

という風にまとめられます。

 

内力と外力の例

具体例を挙げて考えてみましょう。

次のようにたくさんの
電子がある状況をを考えてください。

そして今、次のように
赤枠で囲んだグループについて考えます。

 

電子同士には、みなさんご存知のように
クーロン力が働きます。

 

この時、次のような
赤枠の内部で働くクーロン力

のように書かれますが、これは

グループに属している
電子同士に働く

ので内力になります。

 

また、次のような
赤枠の外の電子が関わるクーロン力

のように書かれますが、これは

グループに属さない
電子から働く

ものなので外力になります。

 

外力と内力の見分け方

外力と内力を正確に見分けるためには

どのグループについて
考えているか

がちゃんとわかっている必要があります。

 

グループは自分で自由に選べる

そしてここで大事になるのが

グループは自分で
自由に選ぶことができる

ということです。

 

つまり先程のたくさんの電子を考える場合

というようなグループを考えるのか
それとも

というようなグループを考えるかは
全くもって皆さんの自由です。

 

そしてそのグループの選び方によっては
同じ力でも内力だったり
外力だったりします。

 

同じ力でも内力だったり外力だったりする例

次のように2つの物体が
衝突する場合を考えましょう。

そして次のように

物体Aのみからなるグループ

を考えることにします。

 

するとこの時

物体Bから衝突時に
及ぼされる力

グループの外からの力

なので、これは
外力となります。

 

では次に

物体Aと物体Bを含むグループ

を考えることにしましょう。

するとこの時、先程の

物体Bから衝突時に
及ぼされる力

グループ内部の力

なので、この場合これは
内力となります。

 

このように力が外力内力であるかは
場合によって変わります。

そしてそれををちゃんと見分けるには
上で示したことからわかるように

「今どのグループを
問題にしているのか」

をちゃんとわかっていること
が必要になります。

補足

どのグループを考えるかは

「皆さんの自由」

だと言いましたが
問題を解く時には問題文によって

どのグループについて
考えるのか

は暗に指定されているので
それを読み取るように心がけましょう。

 

 

重力は内力?外力?

重力って内力なの?
それとも外力なの?

という疑問を抱く人がいますが
これに対する正しい答えは
(上での議論からわかるように)

重力は
場合によっては内力

場合によっては外力
になる。

というものです。

 

念の為、具体的にこの意味を
以下で詳しく解説していきます。

 

鉛直投げ上げ運動を考える場合

具体例として、次のような
鉛直投げ上げ運動を考えましょう。

この時重力は内力でしょうか?

それとも外力でしょうか?

 

正解は

「外力」

になります。

なぜなら今考えているグループ
次のようになっているからです

 

重力というのは地球によって
及ぼされる万有引力であることに気をつければ

今、重力というのは

グループ外の地球
から及ぼされる力

(万有引力)

と言うことができます。

そのため外力になるわけです。

 

グループに地球を含める場合

グループは自分で勝手に
変えることができる
のでした。

そこで今、先程とは違って
次のようなグループを考えてみましょう。

このとき地球もグループ内に入っており
今の場合、重力(万有引力)は

グループ内部で
及ぼし合う力

になります。

つまりこの時重力は

「内力」

となります。

 

繰り返しになりますが
このように

どのようなグループを考えるか

によって重力が内力であるか
それとも外力であるか
、は
変わることになります。

 

内力だけだと運動量保存則が成り立つ

運動量保存則というのは

内力しかないグループ

において成り立ちます。

 

電子の例を用いて、再び
次のような赤枠で囲んだグループ
考えるとしましょう。

上でも述べたように
このグループ内の電子は

「グループ外の電子」
からの力

すなわち

外力の影響

を少なからず受けます。

そのためこのグループ内においては
運動量は保存しません。

 

では次に
次図のようなグループを考えましょう。

この場合は

全ての電子が
グループ内に含まれている

ので先程は外力であった力も内力になります。

 

つまりこのグループには内力しか存在せず
外力は存在しません。

そのため(このグループにおいては)
運動量は保存します。

 

このように

運動量が保存するかどうか

というのも

どんなグループを考えるか

によって決まります。

 

極端な例を言えば、

地球だけを
グループとして考える

場合、運動量は保存しませんが
(太陽など他の天体からの外力が存在するため)

宇宙全体を
グループとして考える

場合にはこの世の全ての運動量が
保存する
ということになります。

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